青森県立美術館シアターから実施報告が届きました。
主催:青森県立美術館シアター
開催日:平成30年10月19日(金)~10月21日(日)、入場者数369名
上映作品: 煙突の見える場所、この広い空のどこかに、名もなく貧しく美しく、裸の島
私たちは、青森県立美術館シアターを会場に10月19日(金)~21日(日)の3日間に『映画上映「特集“わたしの家族、家族のわたし”」』と銘打ち、<Qプログラム>4作品を上映しました。優秀映画鑑賞推進事業としては5年目の実施となります。平日の金曜日を含む週末3日間で各作品2回ずつの上映スケジュールや、鑑賞料金など、プログラム内容を除けば一昨年から引き続きほぼ同じ体裁での開催となりました。今年は全国的に新作の映画公開日も金曜日の作品が増え、金曜日の鑑賞習慣も根付き始めたのか、平日の動員も比較的安定していたように思います。
今回は特定の監督や俳優をピックアップしたプログラムではなかったので(それでも高峰秀子さんは4作品中3作品に出演されていましたが…)、ひとつの上映会としてどのようにお客さまに提示していくか苦心しました。結果的には「家族」という集合体のもつ不可思議さや、その集合体に属する個人を切り口として、上記表題“わたしの家族、家族のわたし”に至りました。
4作品の監督陣である五所平之助・小林正樹・松山善三・新藤兼人は、各々国内外で高い評価を獲得した方々ですが、少し興味を持って映画の世界に入り込まないと、なかなか知ることのない人達であると言えると思います。それは同様に田中絹代・上原謙・佐田啓二・乙羽信子・殿山泰司などの俳優陣にも同じことが言えるかもしれません。そのことから今回は「事前開催の自主事業の上映会チケットの提示で当上映会の入場料を無料にする」という施策を行い、その甲斐もあったのか、一部アンケート結果からは本来の鑑賞意向とは別のお客さまが新たな名作との出会いを果たすことができました。
作品別では、明らかに他3作品とは異質だった『裸の島』を衝撃的に受け止められた方が多かった印象です。全編をとおして台詞はないものの、風の音、波の音、水の音が研ぎ澄まされ、独特の緊張感が最後まで続く展開に目が離せないようでした。また、『名もなく貧しく美しく』の突然に訪れるラストシーンには、みなさま様々な感情を抱かれていたようです。
鑑賞後の満足度も概ね高く、また来年度の上映会の実施についても前向きに考えているところです。引き続き、ラインナップの更新についてもご検討いただけますと末永い上映会の開催にもつながるかと考えております。