青森県立美術館シアターから実施報告が届きました。
主催:青森県立美術館パフォーミングアーツ推進実行委員会/青森県立美術館/文化庁/東京国立近代美術館フィルムセンター
開催日:2016年11月18日(金)~20日(日)、入場者数284名
上映作品:川島雄三監督作品「洲崎パラダイス赤信号」「雁の寺」 岡本喜八監督作品「独立愚連隊」「日本のいちばん長い日」
私たちは、青森県立美術館シアターを会場に11月18日(金)~20日(日)の3日間、<Gプログラム>を上映しました。今回は昨年に引き続き、土曜日・日曜日だけでなく平日の金曜日も会期に加え、各作品2回ずつの上映ではありましたが、都合に合わせ上映時間を選べることも大切にしながら上映を行いました。結果、金曜日の上映は昨年よりも動員が落ちたのですが…土日を含めトータルでは昨年度を上回るお客さまにご来場していただくことができました。
川島雄三監督は本県出身でありながら、逝去されて半世紀以上経過していることもあってか、若い世代ほどその名前はおろか、作品を未見だという人も少なくないように感じます。一般的には『幕末太陽傳』が川島監督の代表作と呼ばれている中、「なぜ『洲崎パラダイス 赤信号』と『雁の寺』を上映するのか?」と質問されたお客さまもいらっしゃいました。ただ、その方も作品をご覧になったあとはご納得いただけた様子が印象的でした。
岡本喜八監督については、映画としての見応えに重心を置きながらも、ふと滲ませる戦争批判が印象的な『独立愚連隊』と『日本のいちばん長い日』を上映しました。徹底的に娯楽を突き詰めた前者と、徹底的に時間軸を追ってリアルに戦争の一端を描いた後者の作品でしたが、どこか底辺で通ずるものを感じ取ったお客さまも多かったようです。「『独立愚連隊』は続編の方が面白い!」と、今後、シリーズの連続上映を期待されたお客さまもいらっしゃいました。
この優秀映画鑑賞推進事業への希望としては、上映作品はどれも素晴らしく日本映画界が誇る名作であると思うのですが、それがなかなか思うようには若い世代にご覧いただけていないとも感じています。私たちの広報の仕方や全体としての見せ方にはまだまだ工夫していかないといけない部分もあると思っております。そこで例えばですが、作品ラインナップとして4本中の1本だけでも、もう少し若い世代の人たちが反応するような作品を加え、それを4作品セットで見せることで、各世代間交流が進むような新たな映画との出会いを提供できる場に今後なっていくのが望ましいのではないかと考えています。
最後に、来年度も引き続き、当上映会を開催できたらと考えております。