高知県 土佐清水市立市民文化会館(くろしおホール)から実施報告が届きました。
主催:土佐清水市立市民文化会館
開催日:平成24年8月25日(土)~8月28日(火)
上映作品:プログラムF―東京オリンピック 2回、細雪 2回、野火 2回、おとうと 2回
当館において、毎年夏の恒例事業となっている優秀映画鑑賞会が、今年は8月25日日曜日から28日火曜日までの日程で開催された。
プログラムはF。作品は、才気あふれる作風で日本映画の刷新を試み続けた市川崑監督による「東京オリンピック」・「細雪」・「野火」・「おとうと」の4本である。
担当としては、今年のロンドン五輪から遡ること48年前、東京で開催されたオリンピックの記録映画「東京オリンピック」と、一般大衆のみならず、芸能人や著名人にも幅広く広がるファンがサユリストと呼ばれることで有名な吉永小百合主演の「細雪」を目玉作品として捉えていた。予想通り、「細雪」の方は4作品中いちばんの集客を誇ったが(あくまで優秀映画鑑賞会という枠の話だが)「東京オリンピック」の方はその逆で、4作品中いちばんお客さんが少ないという結果となってしまった(なかなか思惑通りにはいかないものだ)。
しかし本鑑賞会に関してはほとんど見ることがない10代と思しき男の子が2人、この「東京オリンピック」を親御さんと見られる方と一緒に観に来てくれたことを担当は見逃さなかった。親として現代のオリンピックと48年前のオリンピックを比較させる意味で見せたかったのか?はたまた子どもたち自身が、昔東京で行われたオリンピックがどんなものかと興味があったのか?といったことはすべて担当の想像の域を出ないため知る由もないが、このような鑑賞会において、普段見ることのない客層に来館してもらっただけでも、同作品を選定した甲斐があると前向きに思った次第である。
全体として今年もお客さんの数は多いとは言えなかった。諸事情はあろうが、ここ数年集客数も右肩下がりなのが実情だ。
お客さんから頂いたアンケートには、映画の感想と合せ「お客さんが少ないのが残念」「もっとたくさんの人に観てもらいたい」の文字が躍る。
1枚1枚に書かれたそのような意見を読む度に(おっしゃるとおりです)と心の中で呟くのだが、昨年まではこれらの意見と一緒に「宣伝が足りないのではないか」「広報活動をもっとしっかり」といったものも多くみられたはずだが・・・。
無論、そのような意見がまったくなかった訳ではないが、今年度に限り?そのような意見が少ないことに気が付いた。詳細は省くが、確かに今年度から本鑑賞会については宣伝活動範囲を拡大したし、今まででいちばん事業費も投入した(それでコレ?と言われたら返す言葉もないが)。本鑑賞会のファンは、そのことが分かっているのでは?と、ここでも前向きな解釈をしつつ、名前も知らないが、毎年必ず4日間本鑑賞会に通ってくれる方の顔を今年も観ることが出来たし、少ないとはいえ、近隣の市町村から新たな来館者を得たことは担当としての小さな喜びである。
きっと来年の鑑賞会でも新たな発見や喜びがあるに違いないと、最後まで前向きな担当であった。