1965年 東宝
カラー/シネマスコープ/94分
1960年に東宝に入社し同年に出演した加山雄三は、『男対男』(谷口千吉)と『独立愚連隊西へ』(岡本喜八)で一躍スターとなり、スポーツと音楽が得意な素質を活かして「若大将」シリーズ(1961-1981)が企画された。シリーズ最多登板の監督岩内克己による第6作は、ベンチャーズの来日公演などエレキギターブームを背景に、大学生の青春を軽快なテンポで描いてシリーズ最高傑作と評され、加山雄三の代表曲『君といつまでも』なども披露される。すき焼き屋の息子である沼田雄一(加山雄三)は、大学のアメリカンフットボールチームのキャプテンに選ばれる。しかし、チームメイトの「青大将」(田中邦衛)が起こした交通事故の身代わりになることになり、被害者への示談金を何とか工面しようと、エレキギターで賞金を稼ごうとする。加山雄三自身のエレキギターへの愛がスクリーンの隅々から感じられるスター映画にして、ヒロインの星由里子、身勝手なお金持ちの息子を演じた田中邦衛、沼田の父の有島一郎や祖母の飯田蝶子など俳優陣の個性と魅力にあふれている。