1956年 東宝
カラー/スタンダード/82分
監督の本多猪四郎、特撮監督の円谷英二らが翼竜ラドンを生み出した東宝怪獣映画の代表作。阿蘇の炭鉱で原因不明の出水事故が起き、作業員が鋭利な刃物で切られたような死体となって発見されるなど、奇怪な事件が相次いで発生。その原因が判明したと思いきや、今度は世界各地で超音速の謎の飛行物体が目撃され、衝撃波で甚大な被害が生じ始めていた。当時のポスターの惹句「空飛ぶ戦艦か!火口より生れ地球を蹂躙する紅蓮の怪鳥ラドン」に色への言及がみられるように、東宝特撮怪獣映画初のカラー作品として製作された本作は、より明るい照明を必要とするカラーフィルムの特性のため、増強した照明の熱で過酷な撮影現場となりながら、円谷英二率いる特撮チームが、長崎県佐世保の西海橋や、博多の街並みなどを緻密に再現。戦闘シーンもピアノ線を巧みに用いたり、溶岩を溶鉄で再現したりするなど、繊細かつ大胆な特撮技術が結集している。