1959年 松竹(大船)
カラー/スタンダード/モノラル/94分
『東京物語』などで世界的に知られる小津安二郎監督による、子どもたちを主人公にした作品。東京郊外の新興住宅地を舞台に、テレビを買ってとねだり大人を困らせる子供たちと、近所付き合いの小さな波風にふり回される大人たちを描く。戦後の庶民生活を小津流に活写した作品で、とくに幼い兄弟のオナラのギャグが実に微笑ましい。ロー・アングルや端正な演出で知られる戦後の小津作品らしく、人物の巧みな出入りや、ほのぼのとした会話の妙などに独特の風格と軽快なテンポを感じさせる。青い空に緑の土手が映え、家具や生活雑貨、衣服などの計算されつくしたカラフルな色使いも目を楽しませる。