1990年 松竹富士=FM東京=山田洋行ライトヴィジョン
カラー/アメリカン・ビスタ
モノラル/106分
吉本ばななの小説『TUGUMI』の映画化で、牧瀬里穂が同年の映画デビュー作『東京上空いらっしゃいませ』(相米慎二監督)とあわせて、各映画賞の新人賞を独占した思春期映画の秀作。老舗旅館を営む両親のもとに生まれたつぐみは、病弱な体質ゆえに甘やかされて育ち、その傍若無人ぶりは家族を困らせていた。従姉妹のまりあ、姉の陽子とともに過ごすことになった18歳の夏、つぐみはある出来事をきっかけに恭一という青年と出会う。まりあ役の中嶋朋子、恭一役の真田広之や、あがた森魚、財津和夫、髙橋源一郎といった個性豊かな俳優陣のなかでも、不機嫌な表情が印象的なヒロインを演じた牧瀬里穂の強烈な存在感が光る。監督の市川準も本作で数々の映画賞に輝いた。