1989年 荒戸源次郎事務所
カラー/ヨーロピアン・ビスタ
モノラル/110分
「浪速のロッキー」との異名をとったプロボクサーの赤井英和が、映画初主演した作品。プロボクサーの安達は試合で頭部に瀕死の重傷を負い、ドクターストップにより引退に追い込まれる。リングへの執着が捨てられない安達は、割り切って指導者になることもできず、無謀にも選手復帰を目指す。本作で監督デビューした阪本順治監督は、赤井の飾らない魅力と、コーチを演じた原田芳雄の緩急自在の演技を掛け合わせ、唯一無二のボクシング映画を世に送り出した。赤井の実際の現役最後の対戦相手である大和田正春も友情出演。赤井はその後も、阪本監督の『王手』(1991)などの映画や、数々のテレビドラマに主演し、俳優として活躍し続けている。ちなみに、本作は移動式のドーム型映画館での上映という特殊な興行形態で公開された。