生きる

生きる

1952年 東宝
白黒/スタンダード/モノラル/143分

解説

それまで無気力に生きてきた一人の役人が、死という絶対的なものを目前にして、自分を見つめ直し、人間としての尊厳をとりもどしていく姿を描いた作品で、主役を演じた志村喬の〈ゴンドラの歌〉が感動的。胃癌であると知った男は、夜の街をさまよっては見知らぬ男と暴飲に明け暮れるが、部下の言葉により生き方を変えはじめる。映画の途中で場面が突然男の通夜へと変わり、参列者の回想により、男のそれまでの行動が断片的に描かれるという、特異な物語構造も注目を集めた。第4回ベルリン映画祭でのベルリン市政府特別賞受賞や、「キネマ旬報」ベストテン第1位など国内外で高い評価を得た。黒澤明と脚本家の小國英雄が初めて組んだ作品でもある。

スタッフ

脚本
橋本忍
小国英雄
脚本・監督
黒澤明
撮影
中井朝一
照明
森茂
録音
矢野口文雄
音楽
早坂文雄
美術
松山崇

出演者

渡辺勘治
志村喬
小田切とよ
小田切みき
市民課 坂井
田中春男
    野口
千秋実
    大野
藤原釜足
勘治の息子 光男
金子信雄
勘治の兄 喜一
小堀誠
 その妻 たつ
浦辺粂子
小説家
伊藤雄之助
患者
渡辺篤
医師
清水将夫