風の中の子供

風の中の子供

1937年 松竹(大船)
白黒/スタンダード/モノラル/86分

解説

夏休みを迎えて大はしゃぎの善太・三平兄弟の下に、突然お父さんが工場を辞め、警察に引っ張られるという事件が巻き起こる。児童文学者の坪田譲治が、前年「東京朝日新聞」に連載し好評を博した小説を、清水宏監督が原作に忠実に映画化。爆弾小僧や葉山正雄ら松竹自慢の子役たちと、自宅で寝食を共にしながら撮影に備えた清水は、天然の野生ともいえる子供の存在を見事にカメラに収め、本作により児童映画の第一人者としての地位を築いた。翌年のヴェネチア国際映画祭には、田坂具隆監督の『五人の斥候兵』とともに出品され、ヨーロッパの批評家たちからも絶賛された。なお、坪田による善太・三平の物語は、同じ清水監督によって『子供の四季』(1939)が作られるとともに、戦後も山本嘉次郎監督らによって映画化されている。

スタッフ

原作
坪田譲治
脚本・監督
清水宏
撮影
斎藤正夫
照明
鈴木武雄
録音
土橋武夫
森武憲
音楽
伊藤宜二
美術
江坂実
岩井三郎

出演者

父親
河村黎吉
母親
吉川満子
善太
葉山正雄
三平
爆弾小僧
おぢさん
坂本武
おばさん
岡村文子
幸介
末松孝行
美代子
長船タヅコ
佐山
石山隆嗣
巡査
笠智衆