1969年 東映動画
カラー/シネマスコープ/モノラル/80分
東映動画製作の長篇アニメーション。シャルル・ペローの童話をもとに、井上ひさしと山元護久が脚本を書き、ギャグ監修に中原弓彦こと小林信彦を起用した豪華な布陣で製作された、東映動画の代表作の一つ。井上ひさし と小林信彦が後に作家として知られることは言うまでもない。その特徴は愉快なギャグとアクションの連続にあり、教訓めいたメッセージが排除されている点にある。猫のペロが家を追い出されたピエールを助けて、国王の娘ローザ姫の婿に売りこむが、魔王ルシファがローザ姫に目をつけて、彼女を奪って城に監禁する。この姫の救出場面が大きな見せ場となる。高い城、その上にそびえる塔、周り階段、吊り橋などを用いた戦いに次ぐ戦い、朝日に溶けていく魔王、その光のなかを落下していくローザ姫とピエール。その二人を鳩の群が救い上げるという場面の連続は、アニメーションならではの醍醐味である。