1960年 東映動画
カラー/シネマスコープ/モノラル/88分
世界有数の規模を誇る近代的な設備と大きな資本力で日本の動画製作を刷新、アニメーション史上に一時代を築いた東映動画(1956年創立)初期の代表作の一つである。日本の長篇カラー・アニメーション第1作『白蛇伝』(1958)、第2作『少年猿飛佐助』(1959)に続き、ヴェネチア国際映画祭で連続受賞している。手塚治虫の漫画(「ぼくのそんごくう」)を原作としてとりあげた点で画期的な作品であり、黒澤明監督の『酔いどれ天使』(1948)などで知られる植草圭之助を脚本に招くなど野心的な試みがなされている。製作にも大きく関与した手塚治虫は、後に自らのプロダクション「虫プロ」を設立、アニメーションの世界に積極的に乗り出すことになる。