真昼の暗黒

真昼の暗黒

1956年 現代ぷろだくしょん
白黒/スタンダード/モノラル/124分

解説

1951年に山口県で実際に起きた強盗殺人事件「八海(やかい)事件」を題材に、無実の罪を着せられた四人の若者たちの悲劇と、彼等の無実を信じる弁護士の奮闘を描いた社会派ドラマ。本作が封切られた当時は、高等裁判所で有罪を告げられた四人の若者が最高裁へ上告していた時期であったが、今井正は、脚本家の橋本忍と事件に関する綿密な調査を重ねた末に、四人が無罪であるというシナリオで映画化に臨んだ。今井正の回想によると、脚本が完成した段階で、最高裁から映画製作を中止するように圧力がかけられたという。しかし今井は、「万が一、今後四人が有罪になったら監督を辞めよう」という強い信念のもとで、完成にこぎつけた。実際、封切から12年後の1968年に、四人の無罪が正式に確定し、冤罪事件であったことが証明されたのである。「キネマ旬報」ベストテン第1位。

スタッフ

原作
正木ひろし
脚本
橋本忍
監督
今井正
撮影
中尾駿一郎
照明
平田光治
録音
空閑昌敏
音楽
伊福部昭
美術
久保一雄

出演者

植村清治
草薙幸二郎
小島武志
松山照夫
青木庄市
矢野宣
宮崎光男
牧田正嗣
清水守
小林寛
永井カネ子
左幸子
近藤弁護士
内藤武敏
清水の伯父 雄二
山村聰
山本弁護士
菅井一郎
清水の母 保子
夏川静江
植村の母 つな
飯田蝶子
宮崎の母 里江
北林谷栄
魚屋 松村宇平
殿山泰司