1974年 東宝=ホリプロ
カラー/シネマスコープ/モノラル/82分
青春小説の名作として知られる川端康成の同名小説の映画化。田中絹代と大日方伝が主演した、五所平之助監督の松竹作品(1933)を第1回として、これまでに全部で6回映画化されている。踊り子を演じたのは、美空ひばり、鰐淵晴子、吉永小百合、内藤洋子らで、いずれもその時代の青春スターであった。本作の特徴は、五所作品と同じく、旅芸人たちの社会的な位置を明確にしている点にある。その視点はラストの印象的なストップモーションからも見てとることができるだろう。西河克己監督にとっては、1963年の吉永小百合主演作品に次いで2度目の映画化であった。山口百恵は1970年代のアイドル歌手で、絶大な人気を誇っていた。相手役となる一高生役は公募され、まだ無名だった三浦友和が抜擢された。この後二人は「百恵=友和」のゴールデンコンビとして12本の作品で共演し数々のヒット作を放ち、1970年代青春映画に大きな足跡を残した。