1967年 東映
カラー/シネマスコープ/モノラル/90分
1967年から翌68年にかけて東映で3本が製作された喜劇シリーズの第1作。旧国鉄の協力を得て、東京と九州を結ぶ寝台特急で巻き起こる悲喜こもごもの騒動を描き、おっちょこちょいだが人情味あふれるベテラン車掌を渥美清が好演している。監督はプログラム・ピクチャーの名手・瀬川昌治。本シリーズの成功を機に松竹に招かれ、1968年にフランキー堺主演の『喜劇 大安旅行』を発表。こちらも1972年の『喜劇 快感旅行』まで計11本を数える人気シリーズとなったほか、1970年代以降はテレビで「赤い」シリーズや「スチュワーデス物語」を手掛けたことでも知られる。一方の渥美清は1968年にテレビドラマ「男はつらいよ」そして翌69年の映画化で演じた「フーテンの寅」こと車寅次郎役が絶大な人気を博した。以来、「男はつらいよ」シリーズは第50作『男はつらいよ お帰り 寅さん』(2019)まで続く、映画史上に絺な大シリーズとなっていく。