1953年 大映(京都)
白黒/スタンダード/モノラル/86分
野村胡堂の小説が生んだ銭形平次は、映画、テレビ、ラジオドラマ、舞台で多くの作品に翻案されてきた。戦前の映画だけでも嵐寛寿郎(嵐プロ作品)をはじめ海江田譲二(松竹作品)、川浪良太郎(松竹作品)などその時代のスターたちによって演じられたが、戦後は1949年の新東宝作品『銭形平次捕物控 平次八百八町』、そして1951年大映製作の『銭形平次』で長谷川一夫の当たり役となり、大映ではその後1961年の『銭形平次捕物控 美人鮫』まで10年間にわたり17作品が製作される人気シリーズとなった。本作はその第4作に当たる。新宗教・紫教の評判が江戸に広まるなか、不思議な首飾りを身につけた二つの死体が見つかる。紫御殿に忍び込んだ平次が目にしたのは、地下室に隠された武器・弾薬・切支丹の旗印であった。教団の真のもくろみとともに、教祖・紫琴女の意外な素性が明かされてゆく。