2006年 「ゆれる」製作委員会
カラー/アメリカン・ビスタ
ドルビーSR/119分
オリジナル脚本の『蛇イチゴ』(2002)で映画監督デビューし、一躍注目を集めた西川美和の長編第2作。日常生活を見つめながら普通の人間の奥深くに秘められた心理を冷徹に描きだした本作は、カンヌ国際映画祭監督週間に出品され、「キネマ旬報」ベストテン第2位の他、多数の賞を受賞し、監督の評価を確立した。プレイボーイの弟を演じたオダギリジョーと家業を継いだ真面目な兄役の香川照之も多くの男優賞を受賞。母の一周忌で故郷の実家に帰った写真家が、恋人だった幼馴染と兄の親しい様子を見て、兄に隠れて彼女を誘う。翌日、兄と彼女と一緒に渓谷へ出かけるが、彼女がつり橋から転落し、一緒にいた兄は裁判にかけられる…。事故か事件か、主人公は目撃したのか、真実は何か、多くの疑問に重ねて、兄弟の心理的葛藤が交錯する緊張感に満ちた心理劇。