1998年 東宝=角川書店=サンダンス・カンパニー
カラー/アメリカン・ビスタ
ドルビーSR/135分
70年代から多数の助監督経験を積んだ平山秀幸は、監督デビューした90年代に「学校の怪談」(1995-1999)シリーズの大ヒットをおさめ、本作で国内の映画賞を主演の原田美枝子とともに独占。その後も多様なジャンルで問題作を発表し続けている現代日本映画の代表的な監督である。実母から凄惨な虐待を受け続けて育った女性が、中年となり、幼い時に死に別れた父親の遺骨を探して娘と共に台湾へ向かう。母と父の過去を通して、母と自身に向き合っていく…。鄭義信の脚本、平山と多数の作品でコンビを組んでいる柴崎幸三の撮影、主人公と母を演じた原田美枝子の迫真の演技が、見る者に緊張感とともに深い痛みを伝え、ラストでは静かな感動をもたらす。「キネマ旬報」ベストテン第2位、モントリオール映画祭では国際批評家連盟賞を受賞。