2004年 「死に花」製作委員会
カラー/アメリカン・ビスタ
ドルビーデジタル/120分
自主映画出身の犬童一心監督は、CMディレクターで成功を収めた後、主演の妻夫木聡と池脇千鶴が数々の賞を受賞した『ジョゼと虎と魚たち』(2003)で大きな注目を集めた。その翌年に製作された本作は、東京郊外の超高級老人ホームで優雅な余生を過ごす老人たちが、これまでとこれからの人生をみつめ、社会に一矢を報いる金庫破りに全身全霊で挑む痛快なエンターテインメント。いつまでも“枯れない”パワーと自由な心を持った魅力的な高齢者を、山崎努、宇津井健、青島幸男、谷啓、長門勇、藤岡琢也、松原智恵子が、往年のキャラクターを活かして颯爽と演じており、高齢化社会が抱えるさまざまな課題を提示しながらも、見る者に元気を与える作品となっている。青島幸男、藤岡琢也、森繁久彌の遺作ともなった。