転校生

転校生

1982年 日本テレビ放送網=ATG=PSC
カラー/ヨーロピアン・ビスタ
モノラル/113分

解説

舞台は尾道の中学校。坂と海と光の街だ。夏のある日、ワンパク少年斉藤一夫のクラスに一人の転校生がやってきた。女の子だ。名前は斉藤一美といい、一夫と一字違いだった。一美は一夫と幼稚園の同級生だったといい近づいてくるが、そんなある日、ふとした弾みで寺の階段から落ちそうになった一美を救おうとして、一夫も一緒に転がり落ちる。気がつくとどうしたことか、一夫は一美に、一美は一夫になっていた。二人は入れ違ってしまったのだった。監督の大林宣彦は8ミリや16ミリの個人映画作家として、またテレビCMの敏腕ディレクターとして知られていたが、1977年の『HOUSE』で初めて長篇映画を手がけた。思春期の、少女のなかの少年、少年のなかの少女が重なりあう一瞬のゆらぎを、ファンタジー形式のなかで見事に映像化した作品である。この後に製作される『時をかける少女』(1983)、『さびしんぼう』(1985)とともに「尾道三部作」と呼ばれている。「キネマ旬報」ベストテン第3位。

スタッフ

原作
山中恒
脚色
剣持亘
監督
大林宣彦
撮影
阪本善尚
照明
渡辺昭夫
録音
稲村和巳
音楽
林昌平
美術
薩谷和夫

出演者

斉藤一夫
尾美としのり
斉藤一美
小林聡美
一夫の父 明夫
佐藤允
一夫の母 直子
樹木希林
一美の父 孝造
宍戸錠
一美の母 千恵
入江若葉
一美の兄 良行
中川勝彦
校長
加藤春哉
大野光子
志穂美悦子