1996年 大映=日本テレビ放送網=博報堂=日本出版販売
カラー/アメリカン・ビスタ
ドルビーSR/136分
『ファンシイダンス』(1989)で成人映画から一般映画に進出した周防正行監督の代表作の1本で、社交ダンスブームまで巻き起こした大ヒットコメディ。郊外にマイホームを買った平凡なサラリーマンが、通勤電車から見かけた社交ダンス教室の女性に惹かれて妻子に内緒で教室に通ううち、社交ダンスにのめり込み、仲間とともに成長していく様を軽妙に描く。主人公の誠実な中年男を役所広司が魅力的に演じ、ヒロインの草刈民代、竹中直人、渡辺えり子、田口浩正、徳井優らが、それぞれ心の傷を秘めながらダンスに取り組む個性的な仲間を演じて脇を固めた。綿密な調査で知られる周防作品ならではの社交ダンスとダンスを愛する人々の魅力が存分に描かれ、「キネマ旬報」ベストテン第1位のほか、同年の各映画賞を独占し、監督の評価を不動のものとした。