情炎

情炎

1967年 現代映画社
白黒/シネマスコープ/モノラル/97分

解説

松竹を離れた吉田喜重と岡田茉莉子が設立した現代映画社製作による『女のみづうみ』(1966、川端康成原作)に次ぐ、第2作。原作は立原正秋による同名小説で、以降、吉田作品は『炎と女』(1967)から『戒厳令』(1973)までオリジナル脚本が続く。撮影は岩波映画出身の金宇満司で、本作の後は『黒部の太陽』(1968、熊井啓監督)など主に石原プロ作品の劇場映画撮影に携わった。社長夫人として愛のない結婚生活を送っている女性が、母の情人だった男と再会し、自らもその男を愛し母と同じ道をたどりはじめるという物語を、吉田は性を主題に、『水で書かれた物語』(1965)『女のみづうみ』に続けて、女性側から追究した。岡田は本作について自伝に次のように記している。「吉田の映像表現が、よりいっそう自由に、そして大胆に追及されており、それが私自身にも演技することの不思議な魅力、その奥深さといったものを改めて感じさせる、思い出深い作品」。

スタッフ

原作
立原正秋
脚本・監督
吉田喜重
撮影
金宇満司
照明
海野義雄
録音
加藤一郎
音楽
池野成
美術
梅田千代夫

出演者

織子
岡田茉莉子
能登光晴
木村功
労務者
高橋悦史
悠子
しめぎしがこ
古畑隆志
菅野忠彦
繁子
南美江